半世紀振り返り②-2 29歳 2回目の失踪そして退職
23時55分 東京駅到着
ここからどうしよう
とりあえず新宿に行こう！
頭に浮かびました
山手線に乗り新宿へ
高島屋の裏を歩いていると
激安一泊2000円の看板が
引き寄せられるように行くと
ひなびた旅館がありました
宿帳に名前を書く時に咄嗟に偽名を書きました
頭に浮かんだアイドル二人の名前を足しました
この偽名はしばらく使うことになります
畳3畳分の狭い部屋ですが寝るには十分
ここから1週間泊まらせてもらいました
出てくる前に貯金を全部下ろしたのが80万
このお金を使い果たしたらその時は…
せっかくだからおいしいもの食べようかな
お酒も飲もうかな
肩もコリコリだからマッサージもしよう
いろいろなことを考えました
あるマッサージに行きました
歳の近いお兄さんでした
聞き上手な方で
マッサージをしてもらいながら
失踪のこと 現状のこと
いろいろ話してしまいました
マッサージが終わり
駅に向かう商店街を歩いていると
そのお兄さんが追いかけてきました。
「どうしました？」
「仕事をする気はありますか？今マッサージが休みの日に働かせてもらってる現場があって、そこの親方すごくいい人だから連絡してみたら。自分からも連絡入れとくから。」
と矢継ぎ早に話して名刺をくれました。
「ありがとうございます。でもなんでここまでしてくれるんですか？」
「話を聞いてたら心配になって。自分も似たような境遇だから」
嬉しかったです😭
マッサージでお客として出会っただけなのに
優しさが身に染みました
夜、名刺の番号に電話をしてみると
「○くんから聞いたよ。明日早速働ける？△駅に7時に来てね。持ち物はないよ。」
ということでした。
なんの仕事か聞かなかったな まあいいか
この出会いがこの後の人生を
大きく左右します
半世紀振り返り②-3に続く
