半世紀振り返り③30歳 就職〜退職の繰り返し
親方が借りてくれた部屋に住み
建築現場で働くようになり
3ヶ月が過ぎました
慣れない仕事で大変でしたが
親方に対しては感謝感謝の毎日でした
両親ともまめに連絡をとり
このままこの仕事を続けていく未来が
見え始めた矢先でした
「職人から『あいつは昼飯代を貸したのに返さない』って言われたんだけど本当?そんなやつと一緒の現場は困るって言われたんだけど。」
と親方に聞かれました
「えっ⁉︎」
〜昔からいる職人さんと二人だけで現場に入ることがあり「昼飯奢ってやるよ」と言われ、奢ってもらったことがありました。その職人さんが「あいつは昼飯代を貸したのに返さない。とんでもないやつだ。」という噂を流しているということのようでした〜
親方に可愛がられているのが気に入らなかったかな
「貸す」と「奢る」を聞き間違えたかな
いろいろ考えました
身に覚えのない噂を流されることもつらかった
それ以上に
「お世話になった親方を自分が困らせている」
ということがとてもつらかったです
そして2度目の退職
たった3ヶ月で職と住むところを無くしました
とりあえず住むところを探さなくちゃ
学生時代にバイトしていた不動産屋
ダメ元で頼ってみました
「いわくつきの部屋だけど」
「どんないわくですか?」
「前に住んでいた人が病気で亡くなって、1ヶ月発見されなくてそのままだったんだ。リフォームはしてあるけどね。」
「貸してください」
藁にもすがる思いでした
そこから2年弱 アルバイトを転々としました
引っ越し業、電気店の営業、清掃…
なかなか続かず
家でゴロゴロしていることも増えました
今までは給料から天引きされていたので
意識していなかったお金が
たくさんかかるんですね
あっという間に貯金も底を着き
気が付けば0になっていました
半世紀振り返り④に続く